藤根です。
今日は「心と体の小児科 ふじねクリニック」(開業準備中)のコンセプトである「宿屋」についてお話しします。
小児科クリニック開業の準備を始めたのは去年の夏過ぎです。
そして11月の終わりから1月の中ごろまでは、私がどんなクリニックを作りたいと思っているのか、私が漠然と持っていたイメージを固める作業をやりました。ブランディングというのだそうです。
最初に決まったのが、「小児の心と体の両方を総合的に診療し、教育委員会や子育て支援センターなどの地域の行政とも密接に連携しながら支援を行うクリニック」という経営方針です。
それから色々と細かいこと(どうやって宣伝するかとか、どうやって予約を受けるかなんてことも)を順番に決めていって、最後に、クリニックを人にたとえるならどんな人? ということを考えました。
その時にふっと出てきたのがファイナルファンタジーXIV(14)に出てくるヴェーネスとミンフィリア、竹宮恵子の『私を月まで連れてって』に出てくるお八重さん、そしてばばばあちゃんでした。(これでもかなり控えめに書いた方です。)
ちなみに、その時に作った資料はこういうのです。アルカディア号とか公安9課(攻殻機動隊)なんてキーワードも見えますね。
ここからさらに議論を重ねて、私のクリニックは「冒険の途中でちょっと疲れちゃった子どもたちが、HP回復のために立ち寄る場所」なんじゃないかな、ということを考えるようになりました。
それってドラゴンクエストやファイナルファンタジーに出てくる「宿屋」ですよね。
クリニックなのに宿屋?
戸惑われた方も多いかもしれません。でも、私の中ではそれがとてもしっくり来たんです。
それが、総合病院の小児科と街なかの小児科クリニックの違いだとも思っています。
前回も書きましたが、総合病院の小児科は大怪我をした子や重い病気の子の生命を救う、最後の砦のような場所です。目の前にいる子どもが死んでしまわないように、最先端の医療技術と知識と医療従事者の経験を総動員して助けるということを期待されています。手術もしますし、強い薬も使います。
手術も強い薬も、上手くいけば魔法のように子どもたちを救うことが出来ます。
でも、子どもたちが人生という長い長い旅を続けていくためには、そういう強い力で子どもたちを死の淵からガッと引っ張り上げる以外に、子どもたちの中にある自分で回復する力や育っていく力を引き出してあげるための、総合病院よりものんびりした場所も必要なんじゃないか。
それは、冒険者たちが助言をもらったり、ゆっくり休んで自分の中にある力でHPを回復させられる宿屋のような場所なんじゃないか。
そんな考えから、クリニックのコンセプトを「宿屋」にすることに決めました。
それからドラゴンクエストの各種「宿屋」のスクリーンショットを山のように波多野・高山設計事務所さんに送り、こういう感じの内装にしたいですとお願いして、かなり困らせてしまったのですが、その話はまたあらためて。