「心と体の小児科 ふじねクリニック」の内装の設計について。ミリ単位でこだわってます。

藤根です。

少し空いてしまいました。

今回は「心と体の小児科 ふじねクリニック」の設計について少し紹介しようかと思います。

クリニックの内装は何度も何度も相談して、あらゆるところにこだわって設計していただいています。よく、「ミリ単位でこだわる」って言いますよね。こんな大きな建物なんですが、「ふじねクリニック」の内装もミリ単位のこだわりが詰まっているんです。

例えばドアや廊下の幅は車いすが無理なく通れるように考えていただいてますし、トイレの鍵も「小さい子ども連れの保護者さんが用を足しているときに、子どもがイタズラで開けてしまわない高さ」は何ミリだろうということを真剣に話し合って決めています。

受け付けのカウンターの高さもです。

乳幼児連れの保護者さんは荷物が多くなりがちですし、もしかしたら抱っこ紐を使って下の子を抱っこした状態で、上の子の受診の付き添いで来られるかもしれません。荷物が多いとなると、大きめのリュックかトートバッグを使われることが多いはず。

そんな状態で、リュックやトートバッグをカウンターに置いて受診券や保険証を取り出す動作がやりやすいカウンターの高さは何ミリ? カウンターと待合室のベンチの距離はどれくらい必要?

こうしたことも、何度も話し合って決めています。

大切な子どもが体調を崩しているのだから、保護者さんは不安でしょうがないはず。そんな保護者さんがストレス無く付き添いをしていただけること。これは、「ふじねクリニック」の内装を設計していただく上での大事な指針の一つです。

でも、それだけではありません。

「ふじねクリニック」のホスピタリティの真ん中にあるのは、冒険の途中で怪我をしてしまったり、病気になってしまった勇者たち。つまり、子どもたちです。

まずはこちらを見てください。これは今年の2月末の打ち合わせで使った平面図です。

これも同じ日の打ち合わせで使った平面図です。違いがわかりますか?

緑が増えていますね。クリニックの中に鉢植えを置くとしたらどこに置くかということを相談しています。それともう一つ、2枚めの画像の左上の①というところ。これは何かというと、ここにアーチを入れてはどうかという提案です。

私が「クリニックの内装はRPGの宿屋感を出したい」と言い出したので、波多野・高山設計事務所さんが考えてくださったアイデアです。

こちらは煉瓦風の装飾を入れる案です。

横から見た時のイメージ図もありました(もちろんこのベンツは私の車じゃありませんよ)!

これが3月上旬の打ち合わせではこうなっていました。両方のアイデアを組み合わせた案です。

アーチは左上の2本の点線の部分に移動しました。

これは4月上旬のプランです。

建築法上の問題で、それまでサークルベッドがあったところにサークルベッドを置けなくなってしまいました。メディカルモールからは短い渡り廊下を通って待合室に入る形に変更です。

4月下旬の打ち合わせではこうなっています。

左端にあったキッズコーナーが上に動きました。

これは、受け付けのスタッフからキッズコーナーが常に見えていないと、小さな子どもの安全上ちょっと不安だよねという指摘があったからです。子どもを二人以上連れていらっしゃる保護者さんですと、どうしても片方の子どもから目を離さざるをえない瞬間ってありますからね。受け付けのスタッフが目の端で常に見ていられる場所にキッズコーナーを移しましょうとなりました。

これで完成? いいえ、まだまだ。

でも、少し長くなったので今回はここまで。次回は待合室の壁紙や、「え、こんなデザインにしちゃって良いの?」というクリニックの入り口の自動ドアの図も公開しちゃいます。