「リエゾン」と病院経営と

「リエゾン」12巻目も無事届きました。

楽しく読む…ような漫画ではないかもしれませんが、楽しく読みました。

描かれてあるようなことがそんなにしばしばあっては困ると思うのですが、それでも似たようなことには遭遇します。漫画ですから、救いのあるエンディングになっていることが多いですが、現実はそんなに優しくないという時もあります。

初めて行く場所で、初めて会う人に何かを話すとき、いきなり本題を切り出せる人がどのぐらいいるでしょう。

何から話したらいいかわからないことがほとんどではないでしょうか。

たとえ話ができたとしても、肝心なことは言い忘れてしまうこともよくあることです。

落語に枕があり、名人と新人の枕にも質の差があるように、肝心な話をするためにはそれなりの時間が必要であり、その時間をどう作るかと言うことにも知識やトレーニングが必要であることを、わかってもらえたら嬉しいな、と思っています。

『再来15分以上、初診なら最低でも60分』という佐山先生のご希望は、丁寧にクライアントの話をお聞きして診療したいと思えば不思議ないと思います。

心理面談も1ケース当たり50分が基本です。しっかり効果を発揮させたければそれを週一回、それほど丁寧でなくても大丈夫と思われるケースでも月一回は必要です。

保険診療をしている病院の収入は医療保険から支払われる診療報酬で成り立っていますが、コミックスの中でも紹介されている通り、30分以下は同額です。

長い時間やっても短い時間でも同じ。それに色んな加算を加えていきますが、単位時間当たりたくさんの患者を診た方が報酬は高くなりますので、病院経営は楽になります。

私のクリニックでは大体一日に35人ほど診療すると経営が安定するだろうと言われていますが、今のところ20人ちょっとでその大半が『30分から60分』かかるケースです。うちのクリニックの営業時間はだいたい7時間半くらいなので、それを一人30分として考えると15人が精一杯。なのにその倍の患者様を診察しないと、と言われるのです

私のところは小児科なので、予防接種や頭痛や咳鼻水など短時間の診察でも大丈夫な患者様もいらっしゃいますが、佐山先生は精神科医ですから、赤字経営は必至だろうと思います。その上、学校の先生たちとの面談をしたり、訪問診療をしたりするようなので、経営が成り立っているのだろうかとハラハラしてしまうのです。

当クリニックはやっと3か月が過ぎたところです。やっと私もスタッフも仕事の全容が眺め渡せるようになってきました。効率を意識しながらもご満足いただけるクリニックになるよう、ふじねクリニックはスタッフ一同さらに研究し工夫していきたいと思っています。

新年度に向けて、頑張っていきますので、ぜひ今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

河内晩柑のマーマレードですが、例年3回している茹でこぼしを2回にして苦味を多めに残してます。ちょっと焦がしましたが焦げ臭くはないです。