発熱患者様、急増 

あっという間に11月になり、それも半ばになって、昨日から大雪。 

雪の中を遅めのタイヤ交換に来ています。 

空知はいつものようにスジ状の雪雲が西から東へ通って行くので、日本一まっすぐな国道12号線を北に進めば、道の走りやすさもシマ模様。いつもなら1時間半でたどり着く旭川まで2時間半ほどかかりました。 

凍結道路を運転するときは、お淑やかに加速しブレーキをできるだけ踏まないこと。エンジンブレーキをうまく使い、自然減衰でスピードを落としながら走るのが鉄則です。 

今年はインフルエンザとアデノウイルスが流行しています

さて、10月後半から一気に発熱患者様が増えてきました。 

今の流行の中心は新型コロナウイルスではなく、インフルエンザとアデノウイルスです。 

北海道感染症情報センターの2023年11月12日現在のインフルエンザの流行状況です。 

定点観測値なので、報告している医療機関ごとに1週間あたり何人の患者様がいらしたか、という数字です。インフルエンザは1を超えると流行入り、10を超えると注意報レベル、30を超えると警報レベルです。表示されている数字はおおよそ2週間遅れの数字ですので、2週間前から注意報レベルだったことがわかります。 

次はアデノウイルスです。 

お隣の江別市はしばらく前からずっと高い状態ですが、減少傾向にあるようです。岩見沢市は上昇傾向です。 

このほか溶連菌感染症の方もいらっしゃいますし、いつもは夏に流行することの多い手足口病も時々見ます。滝川あたりで水疱瘡(みずぼうそう)が流行っているようですが、当クリニックでも一例だけ見かけました。大人も一緒にインフルエンザにかかったり、風邪をひいて熱を出しているケースが多いようです。 

水疱瘡と麻疹は空気感染なのでマスクは全く役に立ちませんが、それ以外はマスクをして飛沫が飛ばないようにすることで、うつし合うことが減ります。手洗いも予防には役立ちます。 

インフルエンザワクチンの効果

インフルエンザはワクチンを打つと、重症化(脳炎・脳症や肺炎になること)をある程度以上防ぐことができます。ワクチンを打つとそのワクチンに対応する「抗体」が増えてきて病気にかかることや悪化することを防いでくれます。 

それぞれ個別の病気に対する抵抗力には、それぞれの病原体に対する抗体の量が関係しています。 

新型コロナウイルスの流行でみんながマスクをしていた間、こうした病気も全部流行しませんでした。それはお互いに飛沫を飛ばしあうことがなかったためです。でも大人は以前でもそんなにしばしば風邪を引いたりしなかったはず。それは、体の中に十分な抗体がある時には、ウイルスが入ってきても病気になる前にウイルスを排除してしまって病気を発症しなかったのです。そのとき体の中では勝手に抗体を増やしていて、また次のウイルス到来に備えるようになります。新型コロナウイルス流行でマスクをしていた間、こういう「知らない間に抗体を増やす」ことが起きませんでしたから、大人の体の中でも抗体がずいぶん減っています。それで、大人も子どもと一緒に色々なウイルスの「風邪」を引いてしまっています。 

この冬まだ当分色々な感染症にかかりやすい状態は続くと思います。特に子どものいるご家庭では家族全員にうつってしまうということが起きやすいだろうと思います。 

まずは家族全員で受けられるワクチンはなるべく全部受けましょう。 

人混みになる場面ではできるだけマスクを使い、帰宅したらちゃんと手を洗いましょう。 

咳エチケットは以前と同様にしたほうがいいと思います。熱が出たらもちろん、家の中でもマスクをしていただき、できるだけ他の家族と離れて療養することが良いと思います。お世話する人もマスクをして、お世話したあとの手はしっかり洗うか、手指消毒剤を使います。 

食事と睡眠にも気をつけて、冬の感染症流行期をなるべく元気に乗り切りましょう。