まだ日中蒸しますが、朝晩涼しくなってきましたね。
自分も、クリニックに来る子どもたちも眠りやすくなってきています。
子どもも大人も、暑い暑い夏を良く乗り切ったと思います。
イライラして大変なことになるかしら、と思うご家族もあったのに、そんな予想を素敵に外してくれました。特に小さい子どもたちは、暑さをものともせずに真っ黒に日焼けして、自由に活動できる夏の時間をそれぞれに味わって過ごしてくれていたと思います。
今はヒトメタニューモウイルス感染症がとても流行しています。
新型コロナも流行中です。
インフルエンザもじわっと流行っているようですが、流行本番はこれからだと思います。
秋は食べ物もおいしいですが、落ち着いていろいろなことに取り組むのによい時間でもあります。
勉強の苦手な子どもたちもたくさんいますが、そういう子どもたちにはできれば絵本を読んでもらえたらなあと思います。絵本は実はけっこう高価なので、お古を人から譲ってもらったり、図書館で借りてきたりするのがおすすめです。私は昔から絵本が大好きで、旭川医大にいたころから、旭川にある「こども冨貴堂」によく出入りしていました。絵本や子供向けの読み物、図鑑のほか、子どもに関する大人向けの本などが小さなお店に所狭しと置いてあります。
私がまだ字を読めない頃から読んでもらっていて、ボロボロになってしまったので大人になってから買いなした本が何冊かあります。中川李枝子さんの絵本は、たとえば「ぐりとぐら」シリーズなど素敵な絵本がたくさんあります。その中の一冊に、「いやいやえん」という短編のおはなし集(中川 李枝子 作 / 大村 百合子 絵)があります。
その中の『ちゅーりっぷほいくえん』というお話には、『ばらぐみではえのほん、ほしぐみでは じのほんを よんでもらいます。えのほんは えがいっぱいあって じはちょっぴりしかありません。じのほんは じがいっぱいあって えはちょっぴりしかありません。』という下りがあります。来年学校に上がる年長さんは字がたくさんあるお話を読んでもらうけれど、来年まだ学校に上がれない小さい人たちは絵ばかりの本を読んでもらう。年長さんではない「しげるくん」は年長さんがうらやましくて仕方ない…。
だけど、絵がいっぱいあって字がちょっぴりしかない絵本って、大人にだって楽しいものです。字がちょっぴりしかない分、絵からたくさんのイメージがわいてきます。それをのんびり味わうもよし、誰かと共有するもよし。書いてある文字から学ぶ言葉もたくさんあるのですが、絵から湧き出るイメージを共有したい気持ちが、お話しづらい子どもたちでも、その子どものお口から言葉が出てくることを応援してくれるかもしれません。小さな絵本はぱっと読んでサッと終わるので、気が散りやすい子でも読み切れるかもしれません。長い絵本は夢中になって絵の中に入ってしまう気分を味わえるかもしれません。細かいところによく気が付く特性を持っている子どもたちには、「ウォーリーをさがせ」や「ミッケ!」は大人気です。
涼しくなって過ごしやすくなってきた秋の一日、絵本と過ごしてみたりしませんか。
小学生や中学生、時には高校生の大きな子どもたちにも、お勧めです。